「身入りの良し悪しを決めるもの」



カニの品質を判断するうえで、最も重視されるのは「身入り」です。
どんなに大きなカニであっても、身入りが悪ければ商品価値はガタ落ちになります。

では身入りの良し悪しはいったい何で決まるのか？
大きく関わるのが「最後の脱皮を終えてからの年数」です。

カニをはじめとした甲殻類は、脱皮を繰り返すことで外殻が徐々に大きくなります。
殻が大きくなるということは「入れ物(＝器)が大きくなる」わけです。
しかし、中身(＝身の量)は急に増えることはなく、脱皮前と変わりません。

ペットボトルを用いると非常に分かりやすいのですが、同じ量の水を大小２つのボトルに入れたとき、大きなボトルの上部には空間が出来ます。



・ボトル＝カニの殻
・中の水＝身の量

こう考えていただくと、大きなボトルの方は、身入りの悪いスカスカの状態という事になります。
脱皮の後、餌を食べ生きていく過程を通して、徐々に身の量が増えていきますが、これには年単位での歳月を要します。
そのため、９〜１０月に脱皮したばかりの「水ガニ(若松葉ガニ)」は身入りが悪いのです。

また「たてがに」においても、同じ年に生まれたカニの場合、

�〜瓩せ�点で脱皮しなくなった(最終脱皮を終えた)個体
�△茲蠡燭�の回数、脱皮を行った個体

この２枚を比較すると、脱皮しなくなってからの期間は�，�長く、�△話擦ぁ�
したがって、�，慮賃里聾�た目は小さいものの身入りが良く、対して�△漏宛�は大きいものの身入りは悪い。
このようになります。

難しいのは、生育・捕食環境により身入りの回復にも差が生じますし、人間と同じように個体差もあります。
身入りを判断する手がかりではあるものの、決して絶対的なものではない。
カニの目利きは簡単ではありません。